連合山口は11月4日(水)、山口市で第27回定期大会を開催し、執行委員役員および構成組織代議員他126名が出席しました。今大会は、新型コロナウイルス感染症リスクを低減させる観点から、大会参加者の縮小や議事日程の短縮等の対策を講じての開催となりました。
冒頭、伊藤会長は「新型コロナウイルス感染症の拡大は世界経済に大きく影を落としており、わが国においても、今年7-9月期のGDP速報値は戦後最大の落ち込みを示している。このような状況の中、連合への労働相談は前年を大きく上回る件数が寄せられており、弱い立場にある人ほど深刻な影響を被っている。今こそ連合が長年訴え続けてきた雇用と生活を守るセーフティーネットを早急に拡充するよう取り組みを強め、政策実現に繋げていかなくてはならない。安倍首相の辞任、菅新政権の発足、さらに新立憲民主党の誕生など、政局も大きく転換している。来るべき衆議院選挙に向けて、私たちは緊迫感をもって早急に戦う体制を構築しなければならない。「働く者・生活者のための政治」をいかに実現していくかを念頭に、政治活動に取り組む意味を再確認し、いかに心を合わせて活動をしていくかが重要である。不条理に立ち向かい、すべての働く仲間のために運動を推進していくためにも、連合山口はOneTeamで頑張りたい」と述べました。
その後2021年度活動方針及び2021年度予算、表彰の3つの議案を満場一致で確認しました。議案に対する質疑応答は以下の通りです。
大会発言
藤重智樹 代議員(基幹労連)
連合山口 2021年度活動方針に賛成の立場を明確にし、「運動分野を支える基盤強化」について補強意見をさせていただきます。
前期については、新型コロナウイルス感染症の流行が、広範囲にわたって社会・経済活動の停滞を招き、私たちの生活も大きく影響を受けることとなりました。労働組合の活動も例に漏れず、連合山口や地協・地区会議の行事や活動も中止や延期を余儀なくされる状況となっています。そうしたなか、「運動分野を支える基盤強化」とりわけ「人材育成」については、どの産別や単組においても重要課題であるものの、なかなか活動が展開できていない状況で、どのように育成を進めていくのか悩ましい問題です。
活動方針では、基盤強化の1点目に「連合山口青年委員会の強化」を挙げておられます。
若年層の組合活動への参画につながるきっかけづくり、次代を担う役員の育成の場が、単組や産別の枠組みを超えて設置されることは望ましいことであり、前半年度、コロナウイルスによって活動が停滞していた部分を取り戻し、後半年度、活発に青年活動が展開されることを期待しております。
われわれ基幹労連としても、若年層の教育、単組の中核である加盟単組書記長研修等を開催するなど、人材育成には注力していくとともに、引き続き、連合山口の諸活動に対しても積極的に参画していくことを表明し、意見とさせていただきます。
○連合山口コメント
今期より各地区会議からも青年委員会役員を選出し、新たな活動をスタートしたところでしたが、コロナ禍の影響で活動がほぼできないという残念な結果となりました。後半年度は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、まずは役員研究会を開催し、その後平和友好祭を企画していきたいと考えています。構成組織・地協・地区会議と連携を図りながら活動を盛り上げていきたいと思います。
海井由紀美 代議員(JP労組・連合山口女性委員会委員長)
私の方からは、重点分野3、男女平等参画の取り組みについて補強意見とお願いです。
連合が1991年に男女平等参画推進計画を作成し、取り組みを始めてから30年が経とうとしています。この間、2013年10月より取り組みを始めた第4次計画も2020年9月で最終年度を迎えましたが、目標には未達成となっており、連合が取り組む「男女平等参画の必要性と意義」を再確認し、引き続き構成組織へ理解を求め、継続して取り組んでいくこととなりました。
連合山口としては、2019年に独自に策定した「男女平等参画推進計画」に基づいて、実効ある取り組みを進めていくこととしていましたが、現在、新型コロナウイルス感染症拡大による計画の中止、延期を余儀なくされています。
私は、連合山口女性委員会で委員長をしています。
連合山口女性委員会は、連合の良さである「横のつながりを広げる活動」として、メンバー全員で、「連合山口を理解してもらう、女性委員会の活動を知ってもらうための活動」を行っています。
また、連合山口としての、男女平等参画推進の取り組みの中で、定期大会および地協総会への女性参画率30%、全構成組織からの女性委員会役員の選出など、女性委員会としても積極的に参加し、活動していますが、苦戦を強いられています。
そこで、本日、出席されている構成組織代表者さま、単組の代表者さまに、お伝えしたいことがあります。
私は、「女性委員会」は、発展的に解散するべきだと思っています。男女平等であるならば、本来「女性委員会」として、わざわざ分ける必要はありません。しかし、「女性委員会」として活動し、声を上げなければならないほど、男女平等参画推進の取り組みが遅れているのです。なぜなのか、このことを今一度、考えていただきたいと思います。連合の取り組むジェンダーフリーを考えれば、そもそも「男女平等」という言葉も見直しが必要ですが、先ずは男女平等参画推進計画として、遅れを取り戻すためには、男性女性に関わらず、意識の改革が最も重要であり、構成組織および加盟単組の皆さまのご理解とご協力なくして、目標達成はありません。
そのためにも、今は「女性委員会」の活動を更に活性化させることが、男女平等参画を推進する第一歩だと考えます。連合の良さを広め、「一緒に頑張ろう!」と、女性委員会がまとまり取り組んでいる今、まずは女性委員会への役員の選出について、ぜひ皆さまの力強いご協力をお願いいたします。
○連合山口コメント
連合山口における男女平等参画推進に向けた各種取り組みについては、昨年の大会以降、新型コロナウイルス感染症拡大により計画の中止、延期を余儀なくされるなど厳しい状況が続いています。連合山口執行委員会への女性の参画についても、連合山口から構成組織に対して、積極的な女性執行委員の選出をお願いしているところではありますが、執行委員の選出は構成組織に委ねていることもあり、結果として女性執行委員が少ないというのが実情です。執行委員以外の参加として女性委員会も傍聴するといった工夫をしていますが、毎回の参加とならず、執行委員会の女性参加率は目標未達となっています。その他の連合山口の行事に対する女性参加率向上の対策として、8月に開催された総括討論集会にも女性委員会が初めて参加するなどの取り組みも始めています。定期大会や地協総会への女性参加率30%以上は、本大会でも各構成組織に目標を意識していただき女性代議員の選出に努めていただいた結果、目標には届かなかったものの多くの女性の方にご出席いただきました。
女性委員会の発展的解散については、連合山口としても、男女平等参画が推進され、皆さまに浸透された先に、女性委員会の発展的解散もあり得ると考えています。そのためには、個々の意識の改革、また構成組織および加盟単組に皆さまの更なるご理解とご協力が必然となります。数値目標をたてなくとも女性が自然と参画できるよう、女性委員会の皆さんとも連携を図り、企画・実行していきたいと考えております。
田中克典 代議員(自治労)
私からは、連合の活動方針を支持する立場で、発言させていただきます。
今大会のスローガンとして「私たちが未来を変える~安心社会に向けて~」とありますように、自治労山口県本部としても「安心・安全・信頼の社会保障制度の実現」に向けて取り組みを進めております。
昨年、厚生労働省は、全国の約440の公立・公的病院について、再編・統合の対象として公表しました。しかし、その後に発生・感染が拡大した新型コロナウイルスへの対応や課題により、改めて公立・公的病院の重要性・必要性が示されたと感じております。
今回の新型コロナウイルス感染症への対策については、病院、保健所で働く医療従事者や職員は昼夜を通して対応にあたってきていますが、院内感染の恐れや人員不足、長時間に及び勤務、また、病院の経営状況の悪化など、安心して業務に専念できない状況も起きてきています。
政府は、骨太方針2020で、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、保健所の体制強化を含めた医療提供体制の強化も出していますが、給付と負担のあり方を含めた持続可能な社会保障政策を示しているとは言えません。
山口県内においても、多くの公立・公的病院が対象とされ、特に「柳井地区」と「萩地区」については、厚生労働省が選定する地域医療構想実現に向けての、国が集中的に支援を行う重点支援区域として公表されており、萩地区については、公立の萩市民病院と民間の都志見病院が統合の対象となっています。
自治労山口県本部として、地域医療の再編への動きに対しては、再編・統合が拙速な見直しにならないよう、関係自治体、地方議会に対して取り組みを進めるとともに、改めてコロナ禍で明らかとなった公立・公的病院の重要性・必要性を訴えていきたいと考えております。
次に、組織拡大についてですが、新規採用職員の組織化はもちろんですが、引き続き、各自治体単組を中心に「臨時・非常勤等職員の組織化」に取り組むことで、連合山口の掲げる「7万人連合山口の実現」に向けて、組織拡大につなげていければと考えております。
引き続きの連携・ご協力をお願いするとともに、今後も自治労として取り組みの強化を図っていく決意を申し上げ、私からの発言とさせていただきます。
○連合山口コメント
連合山口としてもコロナ禍により地域医療の重要性・必要性が改めて問われる事態となったと認識している。地域で必要とされる医療の提供や、コロナ禍という緊急事態でも医療崩壊を起こすことのない持続可能で安心できる医療体制・介護体制の構築に向けた検討を山口県に対して要請する予定である。引き続き構成組織・地協・地区会議・組織内議員とも連携を図り対応していきたい。
組織拡大についてであるが、今時点の連合山口の組織人員は57,488名であり、昨年より860名ほど増加しており、各構成組織の奮闘の成果だと感じている。今回ご意見いただいた臨時・非常勤職員の組織化については、同じ職場で働く方々を守ることにもつながる取り組みとなるので、ぜひとも頑張っていただきたい。また、各構成組織におかれてはグループ会社・関連企業についてもターゲットを絞って取り組みをいただきたいと考えている。必要とあれば連合山口としても協力させていただくので、引き続きしっかり連携を図っていきたい。